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家族信託研修会

113()の午後、ある金融機関で家族信託の概要を説明する研修会の講師を行いました。近年、家族信託は非常に良い制度で、成年後見や遺言ではできない面を補うことができ、非常に注目されているのが現状です。

そのため、家族信託とはどのようなものなのか、家族信託の概要を修得するための研修会の講師をしました。

家族信託とは、一言でいうと、認知症になったときに家族に老後の財産管理を任せ、数代先の相続人等に資産を引き継ぐことができる制度をいいます。そのため非常に良い制度に見えることから、成年後見制度や遺言を利用しなくてもよい錯覚に陥ります。 

家族信託の基本設計としては、①認知症対策、②数順位にわたる財産承継、③不動産の共有対策が挙げられ、色んな形で活用することができます。

しかし、良いことばかりではなく、次に記載するようなデメリットや留意点も多くあるので、家族信託に精通した専門家に相談のうえ家族信託を行う必要があります。

1)相続発生時に相続人間で争いの原因となる可能性があり、相続人を含め家族で十分に話し合いをしておく必要がある。

(2)受託者が使い込む可能性がある。

(3)施設の入所や入院などは本人の法定代理人として活動する成年後見人でなければできず、身上監護に必要な契約等が十分にできない場合がある。 

(4)遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)の対象となる可能性がある。 

(5)不動産所得がある場合、受益者固有財産と信託財産では損益通算ができず、信託財産では翌年以降に損失を繰り越すこともできない。 

(6)家族信託で数次相続と同じように受益者を順次指定しておいた場合、第一次相続においてそれらの者に遺贈するより相続税を多く負担する場合がある。 

(7)相続税の課税上、信託財産以外の財産から債務控除ができるかについては、、国税庁等から債務控除は可能という公式な見解は出されていない。 

(8)受託者の固有財産と信託財産の収益を区別して管理(分別管理)しなければならず、受託者の事務負担が増える。

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北島法律事務所・北島行政書士事務所

Author:北島法律事務所・北島行政書士事務所
石川県金沢市にある,弁護士・社会福祉士と行政書士による合同事務所です。
高齢者・障がい者の財産管理や承継(遺言)に関する問題をはじめ,家族に関する法律問題(離婚・相続),交通事故や債務整理,労働問題,各種契約関係、農地法の許認可申請など官公署への手続等について,お気軽にご相談下さい。

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